各会議における各事項の権限には、自社独自に決められるものもあれば株主総会・取締役会のように商法においてその権限が与えられているものもあります。
商法おいて、株主は会社の実質的所有者であるので会社財産は実質的にすべて株主に帰属し、故に株主総会はすべての経営権の源として株式会社の最高機関とされている。しかしながら日々の経営判断を株主総会で行うのは困難であるため、実際の会社経営については経営の専門家に任せるという形になっている。この様な発想から株主総会には、会社経営の基本的事項と重要な事項に権限が与えられ、取締役会には株主総会に残された意思決定権限以外のすべての事項に関する意思決定権限が与えられています。
具体的に商法上において、株主総会・取締役会に以下のような権限が与えられています。
《株主総会権限事項具体例》
☆取締役・監査役の選任 ☆取締役・監査役の解任
☆決算の承認 ☆取締役・監査役の報酬の決定
☆自己株式の買受 ☆特定株主からの自己株式の買受
☆譲渡制限自己株式の買受 ☆譲渡制限自己株式の処分
☆有利発行 ☆新株予約権の有利発行
☆定款変更 ☆資本減少 ☆株式合併 ☆営業譲渡
☆合併契約書の承認 ☆株式交換契約書の承認 ☆株式移転
☆取締役の責任免除 ☆利益相反取引取締役の責任免除
☆組織変更 など
《取締役会権限事項具体例》
★株式分割 ★総会召集 ★代表取締役の選任
★利益相反取引の承認 ★新株発行
★決算承認 ★準備金の資本組入
★ 社債発行 など
株式公開においては、上記のように商法で定められた事項を会議を経ず行った場合は商法違反となってしまい、"公開ができない"または"延期"となる場合がありますので、これらの事項を頭の片隅にでも入れておきましょう。
公開直前期には第三者増資により株主が多数になっている場合が多く、同族株主だけの時期とは違い『後で議事録修正』ができない場合がありますので、特に株主総会事項には注意が必要です。
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