株式公開入門Naviトピックスコンプライアンス陥りやすい犯罪(取締役編)

陥 り や す い 犯 罪(取締役編)
【Lesson 7】



《取締役編》

【粉飾決算と違法配当】
 税金の納付額を少なくするために利益を少なく申告することを脱税と言いますが、逆に実際は赤字決算なのに架空売上計上・経費の圧縮などにより黒字決算にし、株主総会対策や本来利益が無ければできない利益配当・役員賞与を行うことを粉飾決算と言います。これは会社の経営状態を信じ投資する株主や取引する債権者に、大きな被害を与える恐れがあり犯罪となります。
 粉飾決算を行い利益配当をした場合、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金となります。更に、配当や役員賞与が自己の地位保全目的又は株主・役員の利益目的である場合は、その任務に背き会社に損害を与えたとして、10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金の特別背任罪として罰せられます。

【取締役の自己取引】
 ワンマン会社で行われる取締役と会社の取引では、取締役会の承認などは形式的なもので会社の利益より取締役個人の利益を優先した価格で行われることがあります。未公開会社の場合は税務上の問題がクローズアップされますが、公開企業となれば第三者の株主が多数出資ていますので、会社に損失を与えるような取引をした場合は取締役の会社に対する忠実義務に違反したことにより訴えられる場合があります。
 上記の場合は、10以下の懲役又は1,000万円以下の罰金の特別背任罪として罰せられます。
 また、この様な取引を取締役会の承認を得て行っている場合は、他の承認を行った取締役も共犯として処罰されることになります。

【総会屋と利益供与】
 株主総会において取締役の経営責任やスキャンダルの追及を避け、総会を無事円滑に乗り切るため総会屋に金員を渡すことがあります。これも犯罪となり、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金となります。
 また、総会屋が会社に対し利益供与を要求する行為も処罰の対象となります。

【賄賂】
 会社の社長や取締役が官庁との契約を得るために賄賂を贈ることは、3年以下の懲役又は250万円以下の罰金の贈賄罪として罰せられます。


※罪名は罰せられる可能性あるもので、処罰は犯罪と認められた場合を記載



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