資本政策を立案するうえで、おさえるべき重要なポイントのひとつが『株主構成』です。
株式公開を行なえば社外の不特定多数の出資者から資金が得られますが、それと同時にその持株比率分に応じた議決権も外部に移ることを意味します。議決権の多くが社外に移れば、株主総会成立・現取締役・監査役の解任等が社外の意思により行なわれる可能性もあります。一般に社外利害関係者が保有する持株数は極力少なくし、経営への過剰な関与は避けたいと考えますが、その一方で社外からの資金調達を出来るだけ多くしたいという思惑もあります。これらのバランスを考慮し長期的な経営戦略のもとで資本政策を決定して行かなければなりません。
資本政策立案には上記の『株主構成』の他にも、『資金調達時期・額』『創業者利益』など様々な要素があり、その中で多くの関連法令を遵守しなければなりません。更に、この資本政策はいったん公開を展望し資本政策に着手すると後戻りは非常に困難になりますので、主幹事証券会社や・監査法人などの専門家との相談・検討を十分重ね、間違えのないよう進めて行く必要があります。
持株比率 |
株 主 権 限 |
1/3超 |
【株主総会特別決議の拒否権】 |
過半数 |
【株主総会特別決議の可決権】
・取締役・監査役の選任
・取締役・監査役の報酬の決定
・決算承認 など |
2/3以上 |
【株主総会特別決議の可決権】
・営業譲渡
・定款の変更
・資本減少
・有利発行
・合併
・取締役・監査役の解任
・株式移転
・株式交換
・株式分割
・解散決議 など |
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